工藤日出夫 北本市議会レポート 第165号(2022年10月)

恐縮ですが、是非読んでください。市政の大事なことを書きました。

工藤日出夫議会レポートを発行しました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、様々な活動を自粛していました。現在の感染状況は緩やかに減少しつつあり、防止対策に気遣い活動を活発化してまいります。ご理解くださいますようお願い申し上げます。

自尊・好縁の共生社会実現へ

すべての人は「人間」として尊重されます。これが福祉(幸せ)の原理(変えることのない)と教わりました。

 

「自尊」は誰もが「自分自身を尊厳し、尊厳される権利(人権)」を持っています。そして、「好縁」は、すべての人々が良好なつながり(縁)で、それぞれ個性(価値)を理解し合うことで育まれます。

 

「共生」は、すべての人の個性を認め合い、その上ですべての人の生きる権利を共有することと考えます。

 

今こそ「自尊・好縁の共生社会」の実現を。

9月議会閉会 : 令和3年度決算認定

令和4年第3回定例議会(9月議会)は、9月29日市長提出議案(令和3年度一般会計他特別会計決算等)について審議し閉会しました。

 

決算の認定以外の議案は、条例の改正3件、教育委員や子どもの権利擁護委員等の人事議案6件、令和4年度一般会計等補正予算7件等です。

コロナ交付金で決算額増額

令和3年度一般会計歳出決算額は、240億8,229万2,360円です。特別会計等の決算額は下記を参照ください。

北本市の一般会計財政規模は、コロナ前の平成30年度の歳出決算額は、一般会計で約188億8,700万円です。

 

しかしながらコロナ感染症が全国的に拡大した令和2年度の歳出決算額は278億5,300万円と大き

く増額しています。

 

緊急事態宣言による社会生活や経済活動の自粛等による対策が必要になり、国からの交付金が増額しました。全国民一律10万円給付事業や新型コロナワクチン接種事業、休業や失業による生活困窮者、事業者への給付金や補助金が国から「臨時交付金」として交付されています。


物価対策 非課税世帯 5万円給付

令和3年度の決算にいても、令和2年度から続くコロナ感染症対策事業費の検証、そして令和4年度の補正予算においては、さらに物価上昇への対策費が国から交付金が交付されています。

 

物価対策として、非課税世帯に5万円、市内の事業者(法人・個人)へ1事業者5万円、農業従事者には、5~1 0万円の給付が行われます。

 

暫定的な措置と考えますが、今日の物価上昇は年金受給者をも直撃しています。政府は、一時しのぎの給付でなく、金融政策や経済政策を総動員して、インフレに適切に対応した成長(経済成長と所得上昇)戦略の構築と実行が待たれます。

 

岸田総理の「新しい資本主義」の具体像を実践していただきたいものです。

子ども権利擁護委員等に同意

今議会には、教育委員及び子どもの権利擁護委員等と人事議案も提出されました。

 

教育委員には、教育長代理を務めた女性委員がご退任されたこと等から2名の女性委員が、また、議会提出の「子どもの権利に関する条例」の施行(10月1日)に伴う権利擁護委員2名(弁護士等)について、議会は同意しました。

 

特に子どもの権利条約は、国連が33年前に採択、日本政府も28年前に批准しています。埼玉県はすでに条例を制定されていますが、市町村で初めて北本市が令和4年3月議会で条例を制定しました。

 

子どもの基本的な人権が保障されるため、私たち大人がしっかりと子どもの成長を見守る重要性が規定されています。

 

<解説> 北本市子どもの権利に関する条例は、令和3年第2回定例会において、子どもの権利に関する特別委員会が設置され、約1年間の調査研究と市民(子ども含む)からの聴き取り、パブリックコメント実施を経て制定されました。

 

県内市町村では初めて、全国的にも50数自治体で制定されています。子どものおかれている現

状は、家庭での虐待や教育現場でのいじめ等人権侵害が確認され対策が必要です。


くどうの視点 : 観考推洞 | 国際社会も、国も地方政治も混迷深まる 〜 選挙行こう ! 政治を我が事に

※ 観考推洞:観察・考察・推察・洞察の略語。物事の見方、考え方は観察・考察・推察・洞察をと藤本義一氏の言葉

久保特定土地区画整理事業の見直し (案) について 〜 縄文遺跡優先の印象強く、区画整理事業の本質が見えないが...

平成9年度(当初事業期間10年間)から始まった「北本都市計画久保特定土地区画整理事業」(北本団地近隣)は、2度の事業期間延長したが、R2年度24年経過した現在、事業費(約110億円)ベースで44.1%(44億円支出)の進捗率です。

 

三宮市長は、就任後本事業の見直しを行い、R3年見直し案(下図1)を議会に説明、その後久保地区の権利者を対象に説明会を実施しました。見直しのコンセプトは、市長肝入りの「縄文遺跡:デーノタメ保存」と区画整理事業の共存でした。

 

そのため、遺跡埋蔵地等周辺を区画整理から除外し、区画整理区域を縮小します。また、当初計画にあった都市計画道路(西仲通り線)を南側に迂回させる変更(案)です。

事業費174億円と大幅な増額

この変更で事業費(表1)について次のことが示されました。

(1)事業期間が、令和3年から30年前後延長されました。

 

(2)事業費が約110億円から174億円と約63億円増額しました。内訳は、区画整理事業費約135億円、遺跡エリア(地域計区)事業費約39億円となりました。

 

(3)市の持ち出し(市負担)は、約48億円から約103億円と約55億円増加しました。

 

(4)地権者負担の減歩率が26.22%から22.20%(▲4.05)に減りました。(保留地処分金が約6憶減額)。

 

(5)国等の補助金が約40億円から約55億円と15億円増額しました。この内「遺跡が国指定」の場合約26億円。

 

この事業は、先に述べたように既に25年以上経っています。見直しが計画通りに進んでも、完了まで後30年必要です。

 

地権者の多くは高齢になり、相続等の問題も起き事業の先送りは、地権者にも市にとっても深刻な課題です。この見直し計画(案)について、明らかになった注視点を以下に述べます。

市負担54億円増 財政に影響も

先ず、事業費の見直しです。約110億円から174億円と約63億円増額しました。

 

H9年から2回見直した(事業期間と資金計画)時に、なぜ事業費(歳入歳出の詳細)の見直しをしなかったか。当然バブルが崩壊し、社会経済環境が変わっているのに事業費を据え置いたままでした。

 

次に事業費の見直しで、市の一般会計からの持ち出しが、55億円(総額48億円から103億円)増えました。残事業費で見ると、今後30年間で約74億円が必要です。

 

久保地区という限られた地域の整備に、福祉など市民全体の事業予算に充当できる財源を投入することになります。

 

市負担が増加したのは、縮小した区画整理区域の事業費が国等の補助金と保留地処分金が減額したことが影響しています。

 

遺跡エリアについては国指定になれば補助金が交付されます。見直しは遺跡の国指定を前提としています。

遺跡国指定なるかが最大の課題

<結語> 久保区画整理事業については、H17年頃に知人の都市計画専門家から「北本市の区画整理事業はこのまま進めると将来厳しい状況になる」と進言を頂き、私は当時の石津市長にその旨を申し上げました。

 

その後H29年に決算と一般質問で「資金計画は破たん状態」と申し上げ、約110億の事業費を積算し直すべきと指摘しました。

 

● その結果が、事業費は173億円と63億円増額しました。その上有力な財源である保留地処分金も地価下落等で減額。そのようなことから一般財源は残事業費73億円を超え、今後の財政運営に影響を与えています。

 

● 本来なら区画整理事業は、地主等で組合を作り民間施行で行われるものです。当時もそれを模索したが地権者と合意が得られず、市施行で実行しました。これまで5人の市長が関わっていますが、法制度の問題もあり抜本的な改革はできずに来ました。

 

● 三宮市長の見直し案は、一つの方策でありますが、事業完了が30年後、遺跡の国指定が認められないと、さらに混迷が深まる可能性があります。無関心ではいられません。


戦後民主主義はなぜここまで劣化したか

私の友人が自分が主宰する「サロン」で「政治を我が事と考える」をテーマに話しあった。昨今の政治は「民主主義の原則を欠いている」という。

 

私も日本の民主主義に危機感を持っていましたので、サロンの報告を含めて以下にまとめました。 

戦後の日本には、民主主義を学ぶ教科書があった

「政治上の民主主義を実現するには、各個人が政治に参与することが、不可欠の要件である。たいせつな政治を、人任せでなく、自分たちの仕事として行うという気持こそ、民主国家の国民の第一の心構えでなければならない」。

 

これは、敗戦直後に全国の高校で使われた文部省教科書「民主主義」(一九四八年から五三年/写真)に出てくる言葉です。

 

教科書には続けてこう書かれている。

 

「政治を人任せにしてはいけない。政治が戦争を決め、人の命、財産を焼失させ、食べるのに窮した。それはついこの間のことではなかったか」

 

とも記述されている。この教科書は当時の時代風潮でもあったようだ。

日本人は旧い政治意識から脱皮せよと…

この教科書がその後も使われていたら、日本の政治は大きく変わっていたように思うとサロンでの結論であった。

 

今こそ古い封建時代のような政治から脱却をすべきという教科書の内容を確認した。

 

戦後民主主義は、なぜここまで劣化したのか。このことに、地方の政治を担うものとして強い危機感を持っている。

先ずは「選挙に行こう」そして民主主義を我が事にしよう。そこが第一歩と思う。


編集後記・雑感

工藤日出夫議会レポート発行しました。

 

相変わらず「文字」が多く、読むのに大変と存じます。しかし、私はみなさんに市政の課題について正確に詳しく伝えたいとの思いからですのでご理解ください。

 

議員も市長も任期は来年4月までです。現在私は議長を務めています。議会が少しでも市民の身近な存在にしたいと議員と共に努力しています。議会の活動にご理解ください。





工藤日出夫議会レポート 第165号(2022年10月)
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