会派・市民の力 機関紙 第36号(2021年3月)

3月定例議会閉会。令和3年度一般会計予算 修正可決

私たちは、北本市議会会派「市民の力」です。工藤日出夫、日高英城、桜井卓の3人です。会派「市民の力」機関誌第36号を発行しましたのでご覧ください。

三宮市長の文化財系優先予算に議会 "喝"

令和3年第1回定例会は、3月24日31日間の全日程を終え閉会しました。市長提出議案25件と請願3件、委員会提出議案1件、議員提出議案4件の審議を終えました。

 

その中で、令和3年度一般会計予算は修正可決、請願1件は不採択、議員提出議案1件が否決。

 

これ以外の議案はすべて可決しました。一般会計予算の修正は4年ぶりで、現王園市長時代に平成29年度一般会計予算が修正されました(後年度負担が懸念される「パークゴルフ場整備測量費」や現王園市長肝入りの「ホタルの里への遊歩道測量費」などでした)。

 

今議会の報告は以下の通りです。

3事業を削除する修正案を可決

令和3年第1回定例会に提出された「令和3年度一般会計予算」について、総括質疑、予算決算常任委員会分科会の審査を経て、3月19日の予算決算常任委員会で啓和会代表の黒澤議員他3名が修正案を提出しました。修正は、

  1. 久保区画整理事業とデーノタメ遺跡保存の共存調整等事業(600万円)
  2. 上尾道路周辺調査事業(400万円)
  3. 文化財保存活用地域計画策定事業(382万2千円)

の3件を予算案から削除するものでした。

 

委員会では議論の末「可決すべきもの」と採決し、25日の本会議で「修正案」を可決しました。この結果、一般会計当初予算は4年ぶりに修正されました。


新型コロナ対策は?不可解な優先順位

修正案の提出理由について、提出者は「市税収入が大幅に減収し厳しい財政である。コロナ禍の中で市の独自の政策がない。このような中で文化財関係事業が多い。これらは不急の予算と申し上げる」と述べました。

 

賛成討論では、困窮者や子育て支援を優先すべきという意見もありました。

 

また、委員会では、修正案1から「久保・デーノタメ共存調整等事業」を除く2事業を削除する修正案2も提出されましたが、否決されました。

 

令和3年度の主な新規事業(単位千円)

  1. 市制施行50周年記念式典(2,959)
  2. オリパラ関係事業経費(63,219)
  3. 中央保育所整備設計費(69,303)
  4. 一般廃棄物処理施設調査(7,000)
  5. 駅東口広場屋根整備設計(5,000)
  6. 西小学校給食室整備(403,602)

久保区画整理事業特会予算可決

令和3年度の久保区画整理事業特別会計予算は、原案どおり可決されました。

 

歳入歳出額は前年度から23.9%増の5億1,010万円です。

 

毎年度減額補正をしており、予算どおり事業が進むかは不透明です。討論では、高齢化している地権者に希望を与える対応を求めました。

選択的夫婦別姓制度の法制化求める請願と意見書を可決

「選択的夫婦別姓の法制化」と「婚外子差別撤廃に向けた戸籍法改正」を求める請願2件の紹介議員をしました。

 

2件とも採択されました。これを受けて2件に係る意見書を提案し、全議員の賛成で可決しました。多様性の社会形成に向け、大きな一歩になると期待しています。(文責/工藤)

令和3年度予算に対する会派代表の総括質疑は、桜井すぐる議員が以下の質疑を行いました

  1. 職員給与費について
  2. 新規事業について
    1. 上尾道路周辺調査について。
    2. 一般廃棄物処理施設調査について。
    3. 久保・デーノタメ共存調整等事業について他2件
  3. 国民健康保険特別会計について

一般質問は、3月12日から17日迄行われ、会派市民の力は3議員が以下の通告をしました。

桜井すぐる(3月12日)

  1. 学童保育事業における保育の質の確保について
  2. 高齢者福祉計画2021・第8期介護保険事業計画について
  3. 交通安全対策について(谷足会館前の交差点、西小前の江川の蓋掛け)

日高英城(3月16日)

  1. 通学路の安全対策について
  2. 新ごみ処理施設について
  3. 久保区画整理事業とデーノタメ遺跡について
  4. 職員の資質向上の取組みについて
  5. 他1件

工藤日出夫(3月17日)

  1. 新ごみ処理施設と市政ガバナンス
  2. 市長の政治信念「信無くば立たず」の真意について

「市民の力」の三人衆は住民目線・生活者起点で活動 !

私たちは、北本市議会会派「市民の力」です。工藤日出夫、日高英城、桜井卓の3人です

工藤日出夫

会派市民の力代表。北本市監査委員。建設経済常任委員会委員、桶川北本水道企業団議会議員、北本市議会労働者協同組合研究会座長。(東間5丁目サンマンション/5期目)

コロナ禍で明けた令和3年ですが、選挙から2年です。三宮市長による市政運営も2年が過ぎようとしています。

 

会派市民の力は、日高議員が県央広域(消防と斎場)一部事務組合議会の議長に。桜井議員は、議会改革特別委員会委員にと、活動の幅を広げています。

 

私工藤は、市監査委員の2年目で、経験豊富な代表監査の知見をいただきながら「市の事務執行全般」を監査しています。議員では見えない執行部の課題に問題提起させていただいています。

 

率直な印象ですが、事務執行に監査委員が意見を申し上げますが、その改善が遅々としていることに、市長はじめ幹部職員の保身的態度に違和感を感じています。

 

また、この2年間、前期から続く「新庁舎建設に係る損害金(誤払い)の清算」と「新ごみ処理施設協議の白紙後の対応」に、具体的な方向性を出せないことに、じくじたる思いです。特に新庁舎建設の誤払い返還については、三宮市長が消極的なことにいら立ちを持っています。

 

さて、世界規模の「コロナパンデミック」と「気候変動」で、産業革命以来の資本主義が大きな曲がり角に来ていると、指摘する識者もいます。我が国の政治行政も、構造改革の名のもとに「官」から「民」へと小さな政府(行政)に移行しました。

 

しかしながら、昨年から始まったコロナ禍で、縮小した保健所の混迷で、市民の命を支える公共の在り方が問われています。

 

私は、今後の活動の軸を、安心して暮らし続けられる「安全都市」の構築に向け、市民と一緒に考え、発言していきます。ご理解を。

日高英城

会派市民の力幹事(副代表)。健康福祉常任委員会委員、議会運営委員会副委員長、県央広域一部事務組合議会議長、北本市土地開発公社理事。(朝日2丁目ワコーレRG/2期目)

皆様からの温かいご支援をいただき2期目迎えさせて頂き早2年経とうとしています。

 

先ずはお詫びとご報告ですが、昨年の機関紙第35号でお伝えした「石戸下踏切西側の市道拡幅事業」ですが、令和2年度予算で計上されるも、地権者との折合が付かず未だ実施されていません。令和3年度には着手できるように市、地権者へ働きかけていく所存です。

 

今年の一月、私の住む近くの交差点で児童3人を巻き込む交通事故が発生しました。

 

第一義的要因は冬の西陽が信号と重なり確認ができなかったとのことでした。被害者と同じ学校の保護者が埼玉県警へ要望活動を行い、中丸東小学校校長は市教育委員会に要望書を提出しました。

 

北本県土整備事務所と鴻巣警察署の調整を新井一徳県議会議員にお願いし、自治会長・区長・PTA会長連名で、通学路安全対策についての要望書を提出しました。事故翌日から先生方、警察官、地域住民による下校時の見守り活動が始まっています。

 

また、ハード面では「横断者注意」の路面標示や横断旗の設置、市くらし安全課による安全看板の設置等の策が講じられました。さらには信号機のLED化に伴い消えて行った遮光板設置(全国的に見ても例は少ない)の予算要望も検討していただいているとのことです。

 

これらの経験を通じ「人も組織も、各々の立場で、各々が出来ることを考え、実行すれば街は変わる」ことを改めて実感しました。今後も議会活動だけではなく、このような市民と向き合う活動に力を入れていきたいと思います。

桜井すぐる

会派市民の力幹事(会計)。総務文教常任委員会委員、議会改革特別委員会委員、広報広聴委員会副委員長、北本地区衛生組合議会議員(高尾1丁目/1期目)

日頃より温かいご支援をいただきありがとうございます。議員一期目もまもなく2年、折り返しを迎えます。

 

新型コロナ対応に追われたこの一年で改めて痛感したのは、市民の皆さまの声を聴くことの大切さです。市では様々な新型コロナ対策・支援策を講じてきましたが、思ったほど利用されず、減額補正を余儀なくされました。

 

私も議員として、十分なニーズの把握ができなかったと反省しています。任期後半は、市民の皆さまからお話しを聴く機会を増やしていきます。困っているときにはお気軽にご相談ください。

 

令和2年度は6月に設置された議会改革特別委員会の委員として議会改革に取り組み、予算決算常任委員会を設置しました。

 

また、令和3年3月定例会から、委員会の議事録をホームページで公開します。議会広報広聴委員会でも、議会報告会の資料や質疑の概要をホームページに掲載しています。これからも積極的な情報公開を進めてまいります。

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、議員活動も新しい生活様式への対応が求められました。対面での議会報告会の開催が難しくなったことから、昨年9月からユーチューブ(YouTube)に公式チャンネルを開設しました。

 

議会や市政に関する情報を動画でお伝えしています。ぜひチャンネル登録をして、ご覧ください。


編集後記

31日間と長期に渡った定例会でした。予算修正は執行部にとっては大きなダメージでしょう。

 

特に三宮市長にとっては、就任以来初めての議会からの洗礼です。しかも、得意分野の文化財政策にブレーキをかけられました。

 

ここは、一旦熟慮し、適切な執行・市政運営に心砕くよう期待します。(工)




工藤日出夫議会レポート 第164号(2021年2月)
工藤日出夫議会レポート 第164号(2021年2月)

ダウンロード
会派・市民の力 機関紙 第36号 (2021年3月)
1-1機関紙第36号全部(2021.03).pdf
PDFファイル 1.2 MB