工藤日出夫 北本市議会レポート 第170号 / 会派「市民の力」機関紙新刊第2号 (2023年7月)

6月定例会閉会! 〜 2年ぶりに質疑質問 〜 積極果敢6期目スタート

281回目の定例会でした。

 

これまで2年間議長職でしたので、議案質疑と一般質問はしていません。2年ぶりに行いました。やや時差ボケ感がありましたが、次回からは高齢議員の本領(経験を活かした)発揮できると思います。

 

今議会は市長提出議案が18件と数は多かったですが、14件が農業委員等の人事議案で、それ以外は補正予算等4件でした。

 

以下報告します。


久保区画整理事業 計画変更へ

事業開始から26年更に30年が…?地権者と市民の理解が急務

今定例会は、開会前から市長提出の一般会計補正予算の「都市計画費の調査費」と「北本都市計

画特定久保区画整理事業特別会計」補正予算(デーノタメ遺跡保存と都市計画道路西仲通り線変

更)について、一部の会派が「疑問」を持っていたことから、採決に向けて緊張感があった。

 

最終的には、議会決議2件を提出し全会一致で可決した。全会一致で可決したが、この事業は平成9年度からすでに26年過ぎ、進捗率は予算ベース(約110億円)で50%弱である。

 

見直し案ではさらに30年前後の事業期間になる。影響受ける地権者の理解が得られるか正念場である。


一般会計の補正予算には、

  • 民間保育所建設補助金103,216千円
  • 都市計画費(都市計画道路西仲通線変更調査費)6,335千円
  • 特別会計繰出し金(久保特定土地区画整理事業特別会計)12,662千円
  • 学校教育業務経費(道徳教育モデル事業費)290千円
  • 小中学校給食費負担軽減交付金(10月から翌年3月迄)108,778千円
  • 文化財保護事業経費(旅費)251千円

が主な計上である。

 

また久保特定区画整理事業特別会計補正予算は、遺跡区域を区画整理地から除外するため調査業務委託料12,662千円が計上され、両補正予算は全会一致で可決された。


給食費無料化など可決

(解説)補正予算の内容について主なものを解説する。

 

●久保特定句会整理事業の調査費については別枠(裏面)で詳しく解説する。

 

●民間保育所建設補助金は、市内幼稚園(保育施設)の改修工事費の補助金で、子どもの保育環境の改善が期待される。

 

●学校教育業務費は、県から道徳教育モデル事業の受託を受け所要の経費を計上しています。モデル事業を通して指導力の向上が図れるとの答弁であった。

 

●今年10月から来年3月迄の小中学校の給食費無料化に向け、給食費負担軽減交付金として計上された。国の臨時交付金を財源として今年度の給食費無料化を実現したものである。

 

●文化財保護事業経費(旅費)は、縄文遺跡デーノタメの国指定に向け、文化庁との協議のための旅費で、今年度中の申請で来年度以降の国指定を見込んでいると答弁された

意見書・決議の結果

以下の意見書2件、決議が3件提出され審議した結果は以下通りである。

 

●インボイス制度の実施延期を求める意見書(否決)

 

●マイナンバー法を見直し健康保険証の継続を求める意見書(可決/提出者:工藤日出夫)

 

●都市計画道路西仲通線の整備関する決議(可決)

 

●デーノタメ遺跡国指定史跡後の保存活用に関する決議(可決)

 

●市外の小中学校に通う子供給食費無料化を求める決議(可決)

工藤日出夫の一般質問

工藤日出夫は、令和2年5月から令和4年3月迄北本市議会議長に就任し、一般質問等質疑質問を控えていたが、今定例会で2年ぶりに一般質問を行ったので、その概要について以下報告する。

 

件名1「直面する少子高齢社会を乗り切る方策について」(市長)

 

●要旨1「市の公共交通網をより生活者の行動動機に合せられるための再編の必要性について」

 

高齢者の移動手段、公共交通の拡充については、高齢者の運転免許返納が進んでいる。高齢者の移動手段は、男性が自動車、女性は自転車、そして徒歩であるが、今後は、自動車から自転車へ、自転車から徒歩へと変わっていくことが予測測される。

 

移動手段は買い物、病院への通院、友達とのコミュニケーションなど生活に大きく影響を与える。

 

現在市の路線バスとデマンドバスの路線やダイヤ編成、予約システムでは、利用者の行動動機と合わせられないとのご意見ご要望が増えている。

 

高齢者が移動手段を失うと買い物や通院困難者を生み、また孤立・孤独化につながる可能性があり、公共交通の利便性の拡充は共生福祉社会にとって不可欠の条件である。

 

生活者の行動動機に合わせた公共交通網への再編成が必要と考えるが市長の見解を伺う。

 

(市長答弁)

再編については高齢化等の進展で駅を中心とした運行から、本市の実情に即した乗合運送サービスの形態やサービス水準等について生活者の行動動機を把握し、北本市地域公共交通会議と協議し、持続可能な地域交通の構築を図ってまいりたいと考えている。

 

●要旨2「公設民営方式による合葬型墓地(納骨堂)の整備の課題と展望について。

 

私の報告会などでも多くの市民からご要望を頂いてきました。課題と展望と通告しましたが、課題は見えています。国の指針では、墓地等は地方自治体に設置の責任があるとしています。それは永続性の問題があるからではないかと考えています。

 

私は、民設・民営の仕組みを参考に公設方式で合葬型墓地(納骨堂)の整備を求めています。市制後北本市に移住した市民にとっては切実な問題です。

 

(市長答弁)

墓地を取り巻く現状は、核家族化の進展や継承者の不存在などお墓の管理などを心配されています。近年は共同でお骨を納める共同墓や納骨堂などの墓地が出てきております。

 

墓地経営には非営利性及び永続性の確保が必要で、将来にわたって安定的な運営が重要であります。本市も墓地等の経営の許可等に関する事務について県から権限移譲を受け条例を制定しています。この条例で、経営者として地方公共団体も含まれております。

 

今後は、条例改正も含めて本市の墓地整備の在り方について、課題を一つ一つ整理した上で、施設整備に伴う財政負担など総合的に判断することから引き続き、議員の指摘を含め調査研究してまいります。

 

件名2 学校関係者以外の民間から教育長へ。この間何を変えられ、何が変えられなかったか。

 

●要旨1 子どもが幸せに感じる(安全・安心な場所。子どもの個性が認められている。他者との関係に発展性がある。教員が明るく穏やかである)学校教育環境になっているか。

 

(教育長答弁)

「子どもファースト」の視点を大切にすべての子どものが自分らしく、相互に尊重、挑戦できる学校教育を実現させるよう努めます。

 

●要旨2 教育長の目標「働き方改革」の成果について。

 

(教育長答弁)

教師の仕事を

①学校以外が担う

②教師が担う必要のない

③負担軽減

の3点(文科省指針)だけでなく、学校、保護者、学校協議会や応援団と協議していきます。この問題は、教育界だけでは実現できないと考えます。

 

(工藤の見解)

明治以降の富国強兵・殖産興業の画一的教育。みんなで同じ「答」のある事を一斉に勉強させる。子どもをあるべき形を作ってそれにはめる。教師もそれにはまる。保護者もそれを容認する。社会も同一性を容認する。苦しむのは子どもと教師。

 

働き方改革は、この形を見直することからではないか。子どもが自ら成長する自律心の向上を図ることでは。


解説 : 停滞した区画整理事業の転換点になるか

●久保特定区画整理事業は、平成9年度市施行として事業開始した。久保地区は、高崎線の西側で桶川市に隣接した南部地域(図2:下石戸)になる。

 

事業規模等は面積44ha、権利者737人(建物戸数540戸)、土地利用計画は住宅、計画事業費110億2,800万円である。

 

●それから26年経過。その間「オオタカの営巣」や「縄文遺跡の発掘」を受け、一部事業を中断したこともあり、進捗率は事業費ベースで約50%である。令和7年度が完了予定だが、三宮市長は事業計画の見直しを行い、縄文遺跡を国指定にし遺跡区域を区画整理事業区域から除外させた「計画変更の調査費」の予算を提出し議会は可決した。

 

●今後は、遺跡の国指定を目指すこと、遺跡区域内を通る通る都市計画道路「西仲通り線」を区域外に変更することや、遺跡分を除いた除外区域の整備計画を策定するために、当該権利者のみなさまの理解を得ることが課題だ。停滞した区画整理事業の完了に向けた転換点になるよう注視していく事が重要である。

 

やや独りよがり感のある解説であるがご一読を…。

大幅増の残事業費と市負担に課題

7月8日に実施した「議会報告会」では、区画整理地内に住む市民から「この影響を30年以上受け生活設計ができない。高齢になりいつまでも待てない」と悲痛なお声を頂いた。

 

十分納得できるお声である。

 

工藤は平成17年に知り合いの区画整理事業の専門家から「北本市の区画整理事業は今後市の重荷になるから、早期に見直しが必要」とアドバイスを受けた。当時の石津市長に進言したがこのまま続けるという回答であった。

 

この当時の私には、区画整理事業に対する専門的知見が乏しく、これ以上の対応が出なかったことだ。今となっては、このことが悔やまれる。

 

また、平成29年に一般質問等で、区画整理事業の問題点(事業費と資金計画の適性化)を明らかにし、25年前の事業費を現在の整備費に積算し直すことを求めた。三宮市長は令和2年見直し案

(2案)を議会に説明した。

 

A案は、現計画を基に推進。B案は、遺跡区域部分を除外した。

 

どちらの見直しでも、事業費は、110億円からA案は163億円、B案は175億円と、50億円から65億円増額した。その後、国の補助金と残事業期間の短縮が図れるB案を見直し方針とした。

 

議会は定例会でB案を基本とした見直し計画に係る費用を可決した。

 

しかし、残事業費(125億円)の内市費74億円と保留地処分金15億円の課題は重くのしかかる可能性が残っている。

 

何より市費を70億円以上投資することから、完了に向け注視していく必要がある。

工藤日出夫の私見

急がれる新経済産業基盤の構築

住宅地供給という事業目的の久保区画整理事業は、バブル崩壊後の社会経済環境の中で大きな転換点に立っている。

 

しかし、市施行である以上権利者への市の責任は免れないことから、時間を要するとしても完了を目指すことになる。

 

このような中、北本市の少子高齢・人口減少社会という現状の中で、市の持続性を確保するには、「新しい経済産業基盤の構築」は不可欠の条件である。

 

北本市は、石津市長時代の菓子メーカーの進出以降、企業進出は停滞したままである。それだけに、21世紀型の内需による地域循環型消費経済と情報通信流通を活用したビジネスモデルの確立が求められる。

 

(図1)は、県道南大通り線の南側で久保区画整理地区に隣接している地域である。

 

県道沿いに白地になっている区画がある。この区画は本来は市街化地域であるが、都市計画決定時逆線引き地区(市街化調整区域)に指定した。この中を都市計画道路西仲通り線が計画されている。

 

現状で久保地区の西仲通り線が開通しても、公団の前で行き止り、南小方面か公団の外周を迂回するしない。交通混雑による住環境への影響もあり南大通り線までの開通が必要である。

 

またこの道路は、逆線引き地区内を通ることから、用途地域を見直し新しい経済産業ゾーンとして起業誘致等活用できる用地である。

 

17号バイパスと開通が見込まれる上尾道路を結ぶ幹線道路の「県道南大通り線」に面しており、旧栄小学校周辺含め「市街地開発」という恵まれた立地にある。

 

北本市はこれまでまとまった企業進出用地が乏しく、経済産業基盤の構築に遅れを取ってきたが、地権者の理解を頂くことが重要だが、逆線引きの用途地域の見直しで、新しい経済産業基盤の構築につなげ、少子高齢人口減少時代を乗り切る起爆剤にしていきたい。

 

久保区画整理事業と一体的に進めることで、次の展望が見えてくる。





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