工藤日出夫 北本市議会レポート 第158号(2019年8月)

市民の納めた税金 どう使われたかを検証

令和元年第3回定例議会8月28日(水)開会 市長提出議案平成30年度一般会計決算等27件

北本市議会は、8月28日(水)令和元年第3回定例会(9月議会)を開会します。今議会は、平成30年度一般会計及び特別会計、下水道公営企業会計の決算審議が主な議案です。他に「いじめ防止条例」の制定や補正予算など、市長提出議案全23件が提案されます。

平成30年度決算額総額316億8千万円

平成30年度の決算について、説明します。(資料1)

一般会計は、188億8,783万1,725円でした。平成29年度に比べ2億3,008万3,677円減となりました。

 

歳入歳出差引額は、8億4,175万9,736円で、単年度収支額は1億6,956万1,349年となりました。

 

また、5特別会計を含めた決算総額は、316億8,119万8,865円となりました。

 

国民健康保険特別会計は71億9,725万2,507円で、保険者が市から県に移行された後、初めての決算で昨年度比12億9,020万412円の減となりました。

 

介護保険特別会計は、44億593万4,952円の昨年比2億1,389万2,521円の増で、高齢化が進展しているので、今後も増加することが推測されます。


人口減少・高齢化で減収へ財源確保が課題

次に、財源構成について説明します。(資料2)

自己財源の主力である市税については、90億6,454万3,266円で昨年比1億3,086万8,656円の減でした。高齢化と人口減少を受け、今後も減収の見込みです。

 

しかし、自己財源比率は55.7%で、依存財源の地方交付金や地方消費税交付金、国庫及び県支出金、市債44.3%と、上回りました。

 

本市の市税は、個人市民税38億279万504円と固定資産税38億3,397万466円で、この2税が中心で

す。法人税は5億3,184万1,029円です。

 

本市は、企業誘致等が遅れ、産業基盤が柔くこのことが法人税が少ない原因です。

 

人口減少と高齢化が進む中で、新しい財源の道を確立することが課題です。

歳出についてです。(資料3)

議会費は、2億2,582万9,131円(全歳出に占める割合:構成費1.2%)で、全歳出金額の4割を占めるのが、民生費79億4,996万5,859円(42.1%)です。高齢化と子育て、医療、生活保護など、社会保障制度への対応です。

 

また、教育費( 1 0 . 9 % ) 消防費(5 . 2%)やごみ処理費などの衛生費(7 . 4%)が、基盤整備の土木費(7 . 9% ) です。

 

公債費(11.9)で、本市の市債残高は約2 1 5億9千万円です。

 

持続可能な財政へ、構造改革が必要です。


3月議会で否決した「いじめ防止条例」再提案

補正予算:宮内の緑地公有化に1億5,779万円、クラウドファンティング補助金1千万円など

今議会に付議される決算以外の議案では、3月議会(現王園市長提案)に否決された「北本市いじめ防止対策推進条例」が、再提案されます。3月議会では、総務文教常任委員会で審査され、学校の責務等について不備が多いという理由で否決しました。

 

選挙後の、新しい総務文教常任委員会の委員が、否決された理由等を踏まえ協議し、執行部(教育委員会)と調整していました。

 

その後市長も、市の責務について明確にする方針を伝え、今議会に提出されることになりました。

市の活性化に向けた補正予算

補正予算が提出されました。主な事業です。

 

宮内の緑地の公有化に向け、買取の予算157,789千円が計上されました。6月議会で「不動産鑑定委託料」が可決し、その結果を受けてのことです。年内の公有化が実現します。地域住民から強く要望されていました。災害時の避難場所や地域の人のリクリエーションの場所としての活用が期待されます。

 

他に、

  • 野外活動センター空調設備改修事業費(11,286千円)
  • クラウドファンディング活用型地域活性化事業補助金交付金事業費(10,000千円)
  • 多世代同居・近居住宅取得補助金交付事業費(2,000千円)
  • 南部地域整備基金積立金(50,000千円)
  • 一般廃棄物処理施設整備基金積立金(30,000千万円)
  • 財政調整基金積立金(420,000千円)

などです。

工藤日出夫の一般質問

工藤日出夫の9月議会での一般質問は、「安心して医療が受けられるまち」と「命が守られるまち」の2件を、三宮市長と論戦をさせていただきます。この2件は、工藤が「北本市をこんなまちにしたい」と選挙公報に載せたものです。

先送りが許されない懸案の事業

北本市には、極めて重要な多くの課題があります。そしてそれらは、歴代の市長が先送りしてきました。少子高齢・人口減少が現実化する中で、先送りすればするほど北本市のまちづくりを難しくする可能性があります。

 

三宮新市長は、歴代の市長が先送りした次の事業をどのように進めるのか。議会としても、この事業の改革に積極的に取り組むことが必要です。

久保区画整理事業

平成9年度110億円の事業費で、新井馨・加藤・石津・現王園と4人の市長が進めてきたが、22年間経過して進捗率40%です。残りの事業費は約70億円です。

 

権利者(地主)が高齢化する中で、これ以上の先送りはできません。抜本的な改革が必要です。

未着工の都市計画道路

市には、都市計画決定した未着工の「都市計画道路」があります。西仲通線(久保・本町・西高尾)や北2号線(東間)などで、都市決定後40年が過ぎています。

 

数十億円単位の事業費の工面が課題です。都市計画決定の廃止を含めた抜本的な検討が必要と考えています。

公共施設の統廃合・再編成

人口増加時代に整備した学校や公民館などの教育施設を中心に、公共施設の統廃合・再編成が急がれます。すでに人口減少が現実化する中で、一刻の猶予もできません。先ずは学校からでしょうか…。

上記以外にも、少子高齢・人口減への対応した持続したまちづくり(SDGs)。市民の安心を支える「包括ケア」の仕組み(医療・健康・介護・経済等)。子どもの命と学ぶ権利が保障された制度の整備など多岐にわたっています。


埼玉県知事が変わります 〜 新知事は大野もとひろ元参議員

任期満了に伴う埼玉県知事選挙は、8月25日執行され、大野もとひろ元参議院議員が、自公推薦の青島けんた候補を抑え、新知事に当選されました。

 

大野さんは、上田知事の改革を継承し、さらに大きく発展させると明言。上田知事とタッグを組んで選挙を進め、当初の予測(知名度のある青島候補が先行)から、逆転する運動を展開し当選に結び付けました。私は応援しました。


編集後記・雑感

議会レポート第158号をお届けします。

 

今年は元号が改まり、新しい時代の幕開けとも言われています。4月の統一地方選挙、その後の参議院議員選挙、そして8月25日の埼玉県知事選挙と、日本の地方の政治が、令和という「市民の幸せ」を建設する政治のスタートです。

 

北本市の政治も市長が代り、私も5期目の議員として、「持続するまち」の実現に立ち向かって行く覚悟を示していきます。四輪クドウ!老骨を鬼骨(気骨)に変えて、市政の発展に努力します。




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