工藤日出夫 北本市議会レポート 第126号(2015年12月)

平成27年第4回北本市議会定例会(12月議会)は全議案審議し15日閉会

11月27日開会した第4回定例議会(12月議会)は、12月15日閉会しました。

 

市長提出議案は、第五次総合振興計画基本構想を除く議案と請願(3件採択、1件不採択)、および常任委員長提出議案が可決しました。

 

なお、第五次総合振興計画基本構想は審査特別委員会が設置され、慎重審議が必要であることから閉会中の継続審査になりました。

 

12月議会は、一般質問の通告者が議長を除く全19議員が通告し、市長らと活発な議論がされました。工藤日出夫は、新教育長へ「北本の教育の目指す方向」について、市長とは「保育行政の今後のあり方」について、議論しました。以下、主な事項について報告します。


第五次北本市総合振興計画基本構想は継続審査へ

総合計画策定に議会真価問われる

今定例(12月)議会、最も重い議案の一つである「第五次北本市総合振興計画基本構想」は、今後の北本市政運営の、10年間の指針です。北本市は、2年前民間の研究機関から、人口減少が進み30年後に消滅する可能性があると名指しされました。

 

北本市は、平成17年に人口がピークを迎え、その後の10年間人口減少が続き、10年後に60,000人台になると推計されています。そういう中での総合計画の策定です。

新時代の計画は新しい発想で

さて提案された総合振興計画基本構想(案)は、新しい北本づくりに向けた力強いメッセージ性が乏しく、これまでの計画を踏襲した印象を強くもちました。多くの議員が、議案質疑で基本理念(市民が主役のまちづくり)や都市将来像、人口推計(63,000人)、計画策定の方法などについて、厳しい指摘をしました。

 

議長の発議により、審査特別委員会(委員長に工藤日出夫が互選)が設置され、詳細について4日間審査しました。特に、人口動態の捉え方に疑問が集中しました。また、市域の狭い北本市です。土地利用をどのようにするか。圏央道が開通し、企業誘致等の活性化策についても議論が出ました。

 

その後、委員から「さらに議員間討議を進め、市民参加で市民の声を聞く。他市の策定状況を調査し、本市の地域特性を最大限活用した計画にすべき。よって閉会中の継続審査」と動議が出され、承認されました。

 

新しい時代に向けた総合振興計画は、新しい発想が必要であると考えています。閉会中(12月16日~2月末)に、議員研修会、先進地への調査、市民との協議などで、調査・検討を深めていくことになっています。

 

まさに、政策形成に議会の真価が問われています。がんばります!


12月議会の出来事 〜 市民に向き合う議会改革着実に前進

基本計画を議決要件に条例改正

北本市議会は、これまで総合振興計画は「基本構想」を議決要件としていましたが、今議会で基本計画」も議決要件とする条例改正をしました。このことで、議会はより重い責任を果たすことになります。

 

市民団体から、「議会は、住民の代表として、まちづくりの計画に責任を持ち、実効性を高めるためにも『基本計画を議決事件にするように』との請願が出されていました。議決要件になれば、議会の権能(住民に対する責任)が高まると共に、緊張感を持った議会活動につながります。

議会基本条例特別委員会設置

市民に信頼される議会を目指し「北本市議会基本条例制定特別委員会」が設置されました。委員構成は議会運営委員と副議長、それに若手議員(1期生)を加え総勢9人です。委員長には、滝瀬光一議員が互選されました。工藤も委員の一人です。

 

議会基本条例は、すでに600以上の市町村で設置されています。北本市議会も6年前に制定の動きがありましたが、議会として合意できず廃案になっています。

 

今回はすべての会派が設置に向けて動いています。1年ぐらいの時間が必要ですが、制定できるようがんばります。早速1回目の会議がありました。

議会動く!仲山道未整備解消に

県道(仲山道)本宿の拡幅未整備個所の解消に向け、北本市議会建設経済常任委員会が、「埼玉県知事と北本県土事務所長」あてに、地方自治法に基づき「1.未整備個所の早急な解消。2.車・歩道にかかる樹木の伐採」を求める意見書案を提出し、全会一致で可決しました。

 

委員会は、早速県土事務所長を訪問し、意見書を渡し対応をお願いしました。地権者のご理解が前提ですが、重大事故が起きる前に、改善されることを願っています。


公立保育所再編問題ひとまず決着

市立深井保育所は当面存続の方針

8月下旬に、公立保育所に通う父母に、「公立保育所再編について」説明があり、統合・閉所が明らかになりました。

 

この説明では、平成33年度に、中央保育所と栄保育所を統合し(仮称)中央保育所に統合。深井保育所は東保育所へ併合する。そのため、平成27年度募集から中止するというものでした。公立の定員を現在の370人から170人にする。待機児童を出さないために、民間幼稚園に90

人の認定こども園、既設の保育園に109人の増員をすると言う内容です。

 

これを聞いた、父母は公立保育所がなくなることに危機感を持ち、存続のために活動し始めました。早速、市議会議長に、父母会から意見交換の申し入れがありました。9月9日の交換会には50人を超える参加で、時間オーバーしての熱のこもったものでした。また、公立保育所連合会長が市の「子ども子育て会議」で、仕事を休んで出席し、子育てと仕事の両立、それを可能にする公立保育所の役割について主張しました。

 

工藤日出夫は、6年前に起きた「市立深井保育所閉所」問題の時、父母会の皆さんと「閉所見直しの請願」に協力したことから、今回も支援しました。

 

結果、11月13日議会全員協議会に市長が出席し、中央と栄は、中央保育所整備後栄保育所は閉所。深井保育所は今後の保育状況等を勘案し検討するので、その間存続させる。民間保育の質の向上など、父母会の要望を受け入れるものでした。しかし、元に戻すような決着なら、あえてこの時期にとも思いましたが…。


工藤日出夫の一般質問

工藤日出夫の一般質問は、12月10日に行いました。質問内容は次の通りです。

 

[件名1] 新教育長が目指す北本市の教育と開かれた教育行政に向けた今日的意義(ミッション)と課題の克服に向けたリーダーシップについて

 

[件名2] 公立保育所再編の基本方針を受け安全で安心して子育てと仕事の両立が図れる保育の確立に向けた公共の責務について(市長)

 

真尾教育長は、一人ひとりの子供の「生きる力」をはぐくむ教育を目指していくと答弁されました。また、開かれた教育行政には「情報公開」が必要で、地域・家庭・学校の連携を深めていくとも答弁されました。

 

工藤は、市内公立学校長以外からの教育長就任は、30年ぶりぐらいであるから、その良さを十分に発揮し、形骸化し硬直化つつある北本市の教育行政に、社会教育の振興など「新しい風」を吹き込むよう強く申しあげました。

 

保育については、新中央保育所整備に向けて検討するとともに、将来の保育量を適正に把握、保育の充実に努めると答弁されました。工藤は、今回の公立保育所再編問題は唐突であり、父母に心配や不信、混乱を招いたが、「二度とこのようなことのないように」と厳しく指摘しました。

 

市長は、今回のような混乱は、今後起こさないよう十分配慮しますと答弁されました。

公営墓地(納骨堂)整備について

6月議会に工藤が、今議会では日高議員が一般質問で、公営墓地整備の可能性について質問しました。

 

私たち会派緑風会は、10月に政務活動費を活用し、「墓地設置・管理の在り方」の研修会に参加し、法令含めて適切な対応を学習してきました。

墓地経営の主体は市が原則

墓地の経営主体について、平成12年厚生労働省は「墓地経営・管理の指針」で、

 

「墓地の永続性及び非営利性の確保の観点から『墓地経営主体は、市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限られること』」

 

と通達しています。

永住の地に「埋葬」を望む

市内には、120カ所の墓地が設置されています。その約半数が個人所有です。そして宗教法人、公益法人とその他です。

 

今市内には、新規に移住した住民を中心に、墓地を求める人が増加しています。しかも、墓地(墓石等)の永続的管理が難しい人も多く、合葬墓地やお骨を収める「納骨堂」の設置を望んでいます。

 

市は整備場所等難しい課題がありますが、市民のライフスタイルの多様性など踏まえ、ニーズ等を調査していくと答弁しました。3月議会でも取り上げます。


編集後記・雑感

今年は、統一地方選挙があり、市長が代わるなど北本市の政治に新しい動きがありました。現王園新市長も、議会を重ねるごとに、前進しています。工藤日出夫も、多くの人々のご支援で「4回目」の議員活動をしています。

 

さて、北本市議会は、市民目線の三宮幸雄議長の方針で、市民に開かれた議会、市民に向き合う議会へと大きく変わっています。工藤も、議会運営委員長として積極的に議長に協力し、新しい市長と共に生活者に向き合う新しい議会で、市民の安心・安全な福祉社会の実現を目指しています。

 

また、12月議会で、地方分権時代にふさわしい議会に向けて、議長発議で「北本市議会基本条例制定特別委員会」も設置されました。委員長には若手の滝瀬副議長が選任され、委員に一期目の新人議員3人も選任されています。若手の活躍に期待します。

 

第五次北本市総合振興計画が継続審査になりました。工藤が特別委員会の委員長ですが、先進地事例や市民参加、議員間討議を重ね、10年後の北本市に、確かな展望が見えるように委員各位と力を合わせて進めます。

 

今年は、貴重な経験で、生涯忘れることのできない一年でした。また、多くの人々にご理解・ご支援頂き、大きな成果を上げることができました。まことにありがたく、感謝申し上げます。

 

来年も、生活者起点で頑張ります。




工藤日出夫議会レポート第126号(2015年12月)
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