工藤日出夫 北本市議会レポート 第171号 / 会派「市民の力」機関紙新刊第3号 (2024年3月)

令和6年第1回定例会(3月議会)全提出議案議了し閉会

令和6年度 一般会計外5特別会計等予算 可決

令和6年第1回定例会は2月20日(火)開会。

 

3月22日(金)市長提出33議案と議員・委員会提出6議案すべてを議了(可決)し閉会しました。

 

今議会は市長提出の令和6年度一般会計予算と5特別会計・公営企業会計(下水道)予算の外条例制定・改正、教育委員の任命。令和5年度の補正予算。議員提出の請願2件が審議されました。

 

請願は「学童保育室の指定管理に関する請願」と「スクラップヤードの騒音等の請願」は採択されました。

 

主な議案の審議詳細は以下に述べます。


一般会計予算 過去最大の積極予算

表1は、令和6年度北本市一般会計及び特別会計(公会計)予算の総括表です。

歳入・歳出合計は407億9,088万2,000円です。一般会計は242億1,000万と市制施行後最高の予算規模となりました。

 

民生費(医療福祉・子育て等)108億9,432万と予算全体の45%と、少子高齢社会を反映しています。

 

また特別会計の久保区画整理事業は、事業の遅れと都市計画道路等の課題を含め都市計画道路の整備を重点に前年度比3億7千万円と増額しました。

 

一般会計の歳入では、市税は前年度比減収で、人口減少と高齢化で今後も減収の見込みです。国からの地方交付税や地方消費税交付金等の交付金と国庫支出金、県支出金は増額しています。

 

また、ふるさと納税(寄付金)を経常収入にしていますが、確定財源とは言えない分不安さが残ります。


少子高齢を乗り切れるか…展望は

歳出で、民生費の次に多いのが総務費36億8,500万円で、職員の人件費や庁舎等の施設の維持管理費(電気等光熱費の値上げ)の増額で前年比2憶8千万円の増です。

 

次に教育費26億3,950万円でした。

 

特別会計では、後期高齢者医療(12億6,470万円)、国民健康保険(64億3,520万円)、介護保険(60億1,400万円)と、高齢化社会を反映しています。

 

久保区画整理事業は、事業進捗が遅れていますが、新年度は都市計画道路を重点施行で事業費を増額しています。

 

市の予算は、ここ4年間はコロナ禍という事情で、これまでにない大型の決算になっています。令和6年度の予算編成方針で「ポストコロナ時代」に対応するとしていますが、実態としては北本市の実態である「少子高齢・人口減少に的確に対応」することではないかと、質疑で指摘しました。

歳出圧力強まる財政の展望は…?

三宮市長2期目の予算ですが、コロナ禍の3年間、国からの交付金で事業が拡大しましたが、令和6年以降は限りある自主財源で少子高齢化に対応しなければならず、市政の総合力が試されるでしょう。

 

財政計画でも、市税の減収は明らかで、臨時的要素の強い「ふるさと納税」を経常財源と見込むことは避けなければなりません。

 

特に今後「ごみ処理新施設建設」や「久保区画整理と縄文遺跡の保存」、「公共施設の再編成とメンテナンス工事」そして子育てと高齢者福祉への対応など、財政負荷の重い課題があります。

 

住民の理解と協力を得るためにも、私たち議員は、政治の信頼の構築等重い責任を自覚しなければなりません。

経済産業政策へ投資無く懸念表明

令和6年度の個別の事業については、市のホームページで紹介されると思います。

 

私は、予算への賛成討論で次のように述べました。「予算編成方針のポストコロナ時代については明確に理解できていません。市税が減収することが予測される中で、ふるさと納税のような臨時的収入を当てにするのでなく、財政基盤を作る経済産業振興への投資的事業がないことに危機感を持っている。市民一人ひとりの幸せが実感できることを念じます」と。

 

今日の明日では成長はしない。果敢に挑戦を!


住民生活を守る砦 "議会・議員" の今とこれから

政治家の信頼は国家存亡に

今、政治家の「大儀」に注目が集まっています。特に、自民党の派閥による「裏金問題」は深刻です。

 

私たち地方議会議員も、住民生活を守るという「政治の大義」についてどのような認識でいるのかは、極めて重要です。

 

毎日新聞のコラムで「議会制民主主義の国」イギリスで、「政治家を信用しているか」との最近の調査で23%という低さで、ノルウェー70%、スウェーデン63%の三分一以下であったと。理由は、イラク戦争でのニセ情報、国会議員の経費スキャンダルだそうです。

 

何か似ている気がします。

 

その結果、国民は深い知見を持つ政治家の声を聴かくなくなり、耳さわりの言い政策を訴える政治家が増え、大衆迎合政治が広がり、国際的な影響力を低下させ国家存亡の危機になると断じています。

 

日本の政治も、内閣及び政権与党の支持率低迷は、それ自体「政治の信頼の低迷」であり、近未来の日本の国力の低下につながる可能性があり懸念をもって見ています。

地方議会は民主主義の学校

私は北本市議会議員として、皆様から選挙で「代議員の委任」を受け、市政の健全運営に向け、常に全体の奉仕者として「税の効果的な使徒」、「法令等に基づく公正と公平」を基本に、住民生活の安全・安心の砦(とりで)となるよう心掛けています。

 

戦後、現在の地方制度ができ、地方政治は「民主主の学校」といわれました。その理由は、地方制度の本旨は「住民自治」にあるからだそうです。

 

「自治」とは、「自分(住民)たちの問題は自分(住民)たちで決め、自分(住民)」たちで実行し、その結果責任を自分(住民)たちが負う」というものです。

 

その決める人が私たち議員(住民から選ばれた代議員)です。地方自治法で、議会は市の「意思決定機関」と定められています。

 

皆さんが選挙で投票し、当選した議員は北本市民に代って予算や条例を定め、税金の賦課・徴収、保険料や使用料等決める大変重い責任を持っています。

議員の活動をしっかり見て

地方自治体議会は皆さんの生活の場にもっと近い所の政治です。選挙が終わってからが、市民皆さんの政治に対する関心(政治の監視)が必要なのです。

 

皆さんが納めた「税金」は皆さんのために使わなければなりません。それを決めるのが「議会・議員」です。


選挙後の歩み

  • 2023/04/22 北本市議会議員選挙。
  • 2023/05/ 北本市議会議員6期目就任。会派「市民の力」届出。
  • 05/18 北本市議会臨時議会開催。建設経済常任委員会所属。
  • 05/20議会報告会(文化センター)。選挙後の議会に向けた決意と意見交換。多くの市民が参加。
  • 06/01 市民力・工藤日出夫の議会レポート169号発行。
  • 06/08~28 令和5年第2回定例会。一般質問で「地域公共交通の再編」と「合葬型納骨堂の整
  • 備」、「子どもが幸せに感じる学校教育環境」について質問。
  • 07/05 市民力・工藤日出夫の議会レポート170号発行。
  • 07/08(文化センター)。09(北部集会所)で議会報告会。6月議会の報告と意見交換。
  • 08/25~09/26 令和5年第3回定例会。一般質問で「新ごみ処理施設の整備」、「市経済産業
  • の現状と展望」、「合葬型納骨堂の整備」について質問。
  • 05/10/21 議会報告会。(午前文化センター・午後北部集会所)9月議会の報告と意見交換。
  • 05/11/24~12/15 令和5年第4回定例会。一般質問で「市長の政治姿勢基本原則」、「市の経済産業の現状と展望」について
  • 06/01/13(文化センター)14(北部集会所)議会報告会(わいわいサロン)・小グループでカフェ方式で会話。政策課題を話し合う。
  • 06/02/14 議会報告会(文化センター)令和6年度の予算等について説明。
  • 06/02/20~03/22令和6年第1回定例会。新年度予算に総括質疑。建設経済条員委員会質疑。一般質問(件名2件)

お知らせ : 市民の力「わいわいサロン」開催のご案内

市議会会派市民の力は、市民が抱える生活課題について、市民の皆さんと一緒に考え、政治の場で解決しうる課題について参加者との会話と対話により、問題意識を共有する場「わいわいサロン」を定期的に開催しています。

4月19日(金)9:30~文化センター第3会議室 テーマは=地域医療をかしこい患者目線で考える=

今年4月から「働き改革」がスタートします。大学病院等の医療機関に勤務する医師はオーバーワークと言われています。勤務医の働き方で、これ迄とは違った地域医療の問題が生じます。かしこい患者になることは、地域医療を維持発展させるキーワードです。一緒に考えてみませんか。申し込み不要です。ご参加お待ちしています。


編集後記・雑感

会派市民の力機関紙新第3号をお届けします。

 

市議会議員選挙後一年が過ぎました。この間臨時会を含め5回の会議がありました。8人が入れ替わった今議会には、当初戸惑いもありましたが、今は新鮮な風を感じています。

 

三宮市長も二期目で、コロナ禍の中での市政とは違った新しい課題に向き合っています。私は、最年長議員としてこれまでの経験を活かし、引退された前議員の思いを引き継ぎ活動しています。

 

北本市は市制施行50年から次の50年に向けた「ポスト市制50年=レジリエンス(しなやかな回復)へのスタート元年」であろうと認識しています。

 

それは、これまでの50年の市政運営をいったんリセットし、21 世紀型の新しい北本市政に向けて「再起動(レジリエンス)」することではないでしょうか。

 

無原則で継続するのでなく、市民の一人ひとりの「幸せ」が実感できる共生社会の実現です。踏ん張ります(工)





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