工藤日出夫 北本市議会レポート 第128号(2016年3月)

平成28年第1回北本市議会定例会(3月議会)は3月18日閉会

平成28年度予算可決 / 委員会で付帯決議

一般質問 = 見えてこない! 市長の「市政一新」の理念・方向性

北本市議会は、3月18日市長提出議案と議員及び委員会提出議案の全部を審議し閉会しました。

 

今議会は、現王園新市長による初めての編成した平成28年度一般会計予算他7特別会計予算が主なもので、他に条例、補正予算、議員等提出議案49議案が議決されました。一般会計予算は、建設経済常任委員会で付帯決議が議決され、予算執行に市長の対応が求められています。

 

また、12月議会から持ち越された第五次北本市総合振興計画基本構想と3月議会に提出された第五次北本市総合振興計画前期基本計画は、さらなる審査が必要と閉会中の継続審査になりました。以下、主なものの概要を報告します。


会派代表の賛成討論で「付帯決議」への対応を指摘

第五次北本市総合振興計画基本構想・基本計画継続審査へ

市政一新、市民が主役のまちづくりに向けて、現王園市長が初めて編成した予算です。

 

現在北本市は、前任者の12年に及ぶ市政運営で、少子高齢化と人口減少が進みました。課題が明らかになっている中で、まさに新しい街づくりのメッセージ性のある予算を期待していました。

 

会派緑風会は、北本再生へのスタート元年に期待を込め、予算審議に臨みました。緑風会は、2月20日に議会報告会を開催し、平成28年度予算説明を市民に行い、ご意見を頂いております。また、議案調査でさらに予算編成の背景などを、納税者、生活者の視点で厳密に行い、疑問点を確認しました。

土地買取価格は適正か

3月1日の予算に対する総括質疑は、会派を代表して工藤日出夫が行いました。中期財政計画には、資料示して答弁されました。また、新規事業のうち、ごみ埋め立て跡地の公有化に向けた債務負担行為、公園整備事業、容器包装類収集回数拡大についてと、本予算が施行後に、新たな財源の確保につながる事業について質議しました。

 

債務負担行為は、土地開発公社が買い取る土地の借り入れ金(約2億9千万円)の債務保証、そして今後市が買い取る保証について、公園整備事業の野球場の防球ネット整備費約1億8千万円、圏央道蓋かけ上部の公園整備約9千万円、容器包装収集回数拡大運搬費半年で1700万円について、予算の積算、事業の効果、財源内訳などについて質疑し、詳細にわたって答弁をいただきました。

付帯決議の遵守求める

総括質疑の後、予算(案)は3常任委員会で審査されました。建設経済委員会は、夜遅くまで熱心に審査され、債務負担行為は再検討、防球ネット、圏央道蓋かけ公園事業は、事業費を縮減すべきと付帯決議が議決されました。

 

会派緑風会を代表し、日高ひでき議員が、予算の賛成討論を行いました。「今年度の予算は、現王園新市長による新しい街づくりに向けた予算です。現在の北本市は、少子化と長寿化が同時進行する中で、人口減少が続いています。この危機的状況を改善し、持続都市への再生に向けスタートさせなければなりません。

 

野球場の整備は、北本高校野球部の練習に、先ずはバッティングゲージの整備を急ぎ、早急に対応せよ」と申し上げました。

第五次北本市総合振興計画が閉会中の継続審査に

この為、4月1日以降総合計画がなくなることから、第4次の総合計画の期間延長を議会が提案し議決しました。市長が日頃から遵守を主張する自治基本条例の規定から見て、執行権者の市長自らが提案すべきものです。議長の提案要請に「しない」と回答。責任放棄との声も。

少子化対策の事業に期待

平成28年度予算の中で、新規に行われる主な事業について報告します。

  1. 北本駅構内点字ブロック整備事業
  2. 駅エスカレータ改修
  3. 県央地域定住促進・子育て事業
  4. 多子出産祝い金支給事業
  5. 不妊治療費助成金支給事業
  6. 大腸がん検診(特定健診と同時に)
  7. 桜国屋駐車場整備
  8. 野球場の防球ネット整備
  9. 災行政無線整備事業
  10. 学校職員コンピュータ更新
  11. 堀之内集会所整備事業

などです。

 

少子化対策や子育て支援の事業が計上されています。また、大腸がんが増えている現代、特定健診と同時に検査をすること事で、早期発見・早期治療で完治が期待されます。

子供にツケを回さない

市債残高は前年比減少しましたが、今後、公共施設の維持更新、埋め立て跡地の公有化などの土地取得、ごみ処理の新施設の建設費費負担など、今後、50億円以上の市債発行の可能性もあり、「子供もにツケを回さない」という財政運営が求められます。

 

債務負担行為の2億9千万円、防球ネット整備の1億8千万円、圏央道の公園整備9千万円の合計4億6千万円の80%が借金の予定です。付帯決議では慎重に対応すべきとしています。

 

現王園市長は、議員時代に前任者の借金に厳しく対応していました。立場が変われば方針も変わるのでしょうか。

公営墓地・納骨堂の整備は

一般質問で、公営墓地・納骨堂の整備につて聞きました。3回目です。市も国の方針を理解し、墓地経営について認識し始めました。しかし、墓地設置に関する条例のハードルは高く、今後、市民のニーズなどを調査すると答弁しました。

 

市民の半数以上が地方の出身者です。墓地に対する要望は深刻で、「終の棲家」として、定住政策としても意義があると思っています。


時論: 持続へ! 岐路に立つ北本市

協働と共生を理念に普通に暮らす市民の幸せ実感の福祉社会へ

2015年の国勢調査速報値が、国から発表され、北本市は67,414人となりました。前回2010年に比べ1,474人(△2.1%)減少しました。反面世帯数は、967世帯増加しています。県内自治体(42市町村)で、減少率9位ということです。

 

押並べて、秩父市(△5.1%)や本庄市(△4.9%)、行田市(△ 4.2%)と、県北地域に人口減少都市が集中しています。北本市は、県央地域に位置していながら、2005年から10年間人口が減少しています。

 

下図「北本市の人口推計」をご覧ください。点線のグラフは「封鎖人口」といって、出生数と死亡数の予測から推計したものです。2015年では、封鎖人口予測は68,352人です。国勢調査で67,414人ですので、938人は社会要因で減ったことになります。封鎖人口と社会要因予測で2020年で1,917人、2025年では2,740人の差があります。

 

この差は社会減といい、まさに社会経済の変化要因を分析し、政策で克服することが重要となります。そういう意味で北本市は、人口動態を的確に分析・予測し、「消滅可能性都市」から持続可能性都市へと転換できるか。北本市は「岐路」に立っていると認識しています。

市は現在、新しいまちづくりの指針となる「第五次総合振興計画」を議会に提案し、議会は特別委員会で多方面から議論しています。また、国が進める地方創生「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しています。

 

大変残念ですが、この計画から、次のまちづくりの確かな展望は見えてきていません。人口増加策だけでない、第三の道の検討も必要です。

 

私が期待した、現王園市長が訴えた「市政一新」のビジョンや道筋が見えてきません。

 

大切なことは、市民との協働と共生を理念に、普通に暮らす市民が、普通の幸せを実感できる福祉社会の構築です。その為に、政策を総動員させ、次の展望を確実なものにしたいと考えています。


編集後記・雑感

統一地方選挙から一年です。市長も変わり、議員も新人4人、復帰2人と6人が入れ替わりました。議会は三宮議長のもと、市民に向き合う議会へ、議論する議会へと変わりつつあります。現在「議会基本条例」の制定を目指し、更なる議会改革に取り組んでいます。

 

さて、現王園市長が訴えた「市政一新」は、この間二度一般質問で取り上げましたが、何を一新し、何をどう変えて、新しい北本市へ政策転換しようとしているのか、依然不透明のままです。

 

改革は待ったなしです。市長は、社会変化に的確に対応し、メリハリのある政治理念と政策を、市民に向けて発することが求められています。市民はそれを待っているはずです。




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